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【医師の英語】「方針を確認しましょう」医療英語ワンフレーズ#47

  • 医療英語ワンフレーズ

現代では、外国人患者さんに接する機会のある医療従事者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな医療従事者の方のために、医療英語の単語集や会話例文集を様々なシチュエーションごとにご紹介していきます。
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「方針を確認しましょう」を英語で言うと?

《例文1》
I feel like I missed something critical during the morning round.
(朝の回診中に大事なことを聞き逃した気がします)
OK, then let’s run the list.
(分かりました、それでは全患者の方針を確認しましょう)

今回紹介するのは“run the list”という、医療の世界での独特の表現です。

知っていれば決して難しくはない表現ですが、知らないと何を言っているのかさっぱり…、かもしれません。ここでいう“the list”とは「全患者のリスト」のことです。たとえば、あなたのその日の受け持ち患者が10人いるとしたら、その10人が掲載されたリストです。

“run”は、皆さまご存じの「走る」を意味する動詞ですが、ここでは「リストを確認していく」といった意味になります。イメージとしては、「日々の入院診療の中、忙しい時間の合間に患者リストを上から順番に走り抜けていく」ような感じです。

《例文2》
Let’s run the list to make sure that we are on the same page.
(方針が一致しているか確認するために、各患者のやるべきことを順番に見ていきましょう)

《例文3》
Guys, we’ll meet at 3pm and run the list for any problems.
(みんな、午後3時に集まって、問題がないか患者リストを確認しよう)

指導医が研修医に対し、あるいは後期研修医が自分の下に付いている初期研修医に対して“Let’s run the list.”と言った場合、患者リストを上から順番に見ながら、各患者の治療方針やto doリストを確認し、抜けがないか、あればそれを付け足していく作業を行います。

具体的には…

(研修医)
「Aさんには、今日は6時間おきに生化学検査をとって、Naをフォローします」
(指導医)
「あと、尿検査も忘れないでね」
といったようなやりとりを順番にしていくのです。

忙しい日ほど“run the list”が大切になるので、まさに「走る」感覚でテンポ良く会話していくのがポイントです。
米国の臨床現場にいなければなかなか使うことのない表現かもしれませんが、“run”の面白い使い方としてご紹介しました。


米国内科医山田悠史先生

この記事の執筆者
山田 悠史先生
マウントサイナイ医科大学 老年医学科 アシスタントプロフェッサー
慶應義塾大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部附属病院で研修。2015年に渡米し、米国内科専門医を取得。
現在マウントサイナイ大学病院老年医学・緩和医療科に所属。
NPO法人APSARA常務理事。2021年にめどはぶを設立、代表を務める。
近著:
最高の老後(2022)、健康の大疑問(2023)、老年医学のトビラ(2025)

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