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【医師の英語】「カルテに追記する」医療英語ワンフレーズ#180

  • 医療英語ワンフレーズ

現代では、外国人患者さんに接する機会のある医療従事者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな医療従事者の方のために、医療英語の単語集や会話例文集を様々なシチュエーションごとにご紹介していきます。
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「カルテに追記する」を英語で言うと?

《例文1》
医師:Could you add an addendum to your finalized progress note to include the additional observations?
(書き終えた患者のカルテに、追加の所見を追記していただけますか?)
医師:Certainly. What specific information should I add?
(承知しました。どのような具体的な情報を追加すればよいでしょうか?)

《例文2》
Dr. Smith, could you please create an addendum to your note to include the results of the latest blood test?
(スミス先生、最新の血液検査の結果を含めるようにカルテに追記していただけますか?)

《例文3》
I need to use an addendum to update my previous note with the patient’s updated medication list.
(患者の更新された薬剤リストを含めるため、前回のカルテに追記して更新する必要があります)

《解説》
Could you please add/create an addendum?”という表現は、
医療現場では比較的頻繁に使用される専門的な言い回しです。
ここで使われているaddendum(アデンダム)は、
既存の文書や記録への「追記」「補足」「訂正」という意味を持つ名詞で、
とくに医療記録や法的文書の文脈でよく使用されます。
完成する前のカルテの修正や追記には使われず、
「完成して、署名した後」のカルテに追記する場合にこの言葉が用いられます。

このaddendumは、電子カルテ上でよく目にすることになる単語ですが、
医療機関でなぜこのようなプロセスが重要かと言えば、
既存の記録はそのまま残しながら新しい情報を追加したり修正を加えたりすることが、
法的な観点から必要とされるためです。
このようなプロセスを経ることで、修正前の記録をバックアップで残しつつ、
医療記録の正確性と完全性を保ちながら、修正した経緯を明確にすることができます。

こうしたプロセスを、英語圏の医療環境ではaddendumという専門用語を用いて表現するのです。
日常会話ではまず使うことのない単語ですが、カルテのやりとりではしばしば目にすることになる単語ですから、
今後英語圏で臨床現場に触れる予定がある方はぜひ覚えておくとよいでしょう。


米国内科医山田悠史先生

この記事の執筆者
山田 悠史先生
マウントサイナイ医科大学 老年医学科 アシスタントプロフェッサー
慶應義塾大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部附属病院で研修。2015年に渡米し、米国内科専門医を取得。
現在マウントサイナイ大学病院老年医学・緩和医療科に所属。
NPO法人APSARA常務理事。2021年にめどはぶを設立、代表を務める。
近著:
最高の老後(2022)、健康の大疑問(2023)、老年医学のトビラ(2025)

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