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【医師の英語】「吐き戻す」医療英語ワンフレーズ#31

  • 医療英語ワンフレーズ

現代では、外国人患者さんに接する機会のある医療従事者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな医療従事者の方のために、医療英語の単語集や会話例文集を様々なシチュエーションごとにご紹介していきます。
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「吐き戻す」英語で言うと?

患者:I am worried about my daughter because she spit up milk a lot yesterday.
(娘が昨日何度もミルクを吐き戻したので心配です)
医師:Okay, what is her baseline?
(なるほど、通常はどの程度[吐き戻す]のですか?)

今回は小児医療でよく使われる「吐き戻す」という表現をお伝えします。

AAP(米国小児科学会)のサイトでは、“vomiting”胃の内容物が口から体外に強制的に吐き戻されること“spitting up”強制的な筋収縮は関与せず、しばしばげっぷに伴い胃の内容物が口から出てくること、と説明されています。

母乳や人工乳を飲んだ赤ちゃんが、食後にミルクを口から吐き出してしまうことがあるのですが、これがまさに“spitting up”(吐き戻す)に当たります。大人が悪心を伴って嘔吐するときのニュアンスとは大きく異なります。

医師:Helping her burp during and after feeding will prevent from spitting up.
(授乳中や授乳後にげっぷをさせてあげると、吐き戻しを防げますよ)
患者:Oh, that is good to know!
(そうなのですね、良いことを伺いました!)

“spit”を単体で使う際には、「唾を吐く」もしくは「口に入れたものを飲み込まずに出す」という意味合いとなり、こちらもまた上記とはニュアンスが異なります。小児領域で言えば、子供が食べようとしたものが口に合わず、すぐに「ぺっ」と外に出すような状況です。

米国で小児医療に携わっていると、赤ちゃんの“spit up”を心配して救急やクリニックを訪れる家族が非常に多く、たびたび耳にする言葉です。

英語圏の方は“spit up”“vomit”“spit”といった表現を自然に使い分けていますので、ニュアンスの違いを理解して、患者の年齢や症状に応じて使い分けてみてください。


米国内科医山田悠史先生

この記事の執筆者
松浦 有佑先生

ワシントン大学/シアトル小児病院、小児科発達行動学フェロー

岐阜大学医学部卒業
岐阜大学医学部卒業後、初期研修を経て横須賀米海軍病院でフェローとして勤務。2021年からNYマウントサイナイ大学病院で小児科レジデントを行い、同時にジョンズホプキンス大学院で公衆衛生修士課程を開始。2024年両方修了し同年7月より現職に就任。

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