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【医師の英語】「食上げ」医療英語ワンフレーズ#39

  • 医療英語ワンフレーズ

現代では、外国人患者さんに接する機会のある医療従事者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな医療従事者の方のために、医療英語の単語集や会話例文集を様々なシチュエーションごとにご紹介していきます。
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「食上げ」を英語で言うと?

《例文1》
医師:Mr. A is tolerating well with clear liquid diet.
(Aさんは水分を問題なく飲めているようです)
医師:Great. Let’s advance his diet from clear to full liquid diet.
(いいですね。水分からペースト食に食上げしましょう))

「食上げ」は、病院の中ではよく用いるものの、英会話スクールなどではなかなか出合うことのない表現だと思います。

《例文2》
Please advance diet as tolerated.
(問題ない範囲で食上げしてください)

《例文3》
Let’s hold off on advancing his diet until we get the barium swallow results.
(バリウム造影検査の結果が返ってくるまで、食上げはやめておきましょう)

「食上げを行う」“advance diet”と言いますので、丸ごと覚えてしまいましょう。また、流動食は“liquid diet”、軟菜食は“soft diet”、常食は“regular diet”と言います。“clear liquid”“full liquid”の違いは、前者が水やスープ、後者がペースト食のようなものです。

米国の病院では、三分粥、五分粥、全粥のような段階的に水分が減るお粥はありませんので、これに対応する英語はありません。ただし、普通のお粥は出す病院もあり、これは“congee”と呼ばれます。日本語の「漢字」に発音が近いので、渡米して間もないころ、「漢字?」と思わず聞き返してしまったことがありました。ちなみに「漢字」の英単語は“chinese character”です。

また、“advance diet”という表現と一緒に“as tolerated”という表現もよく用います。「耐えられる範囲で」という意味で、食上げだけでなく、安静度やリハビリテーションのオーダーの際にも用いられる表現ですので、併せて覚えておくとよいでしょう。


米国内科医山田悠史先生

この記事の執筆者
山田 悠史先生
マウントサイナイ医科大学 老年医学科 アシスタントプロフェッサー
慶應義塾大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部附属病院で研修。2015年に渡米し、米国内科専門医を取得。
現在マウントサイナイ大学病院老年医学・緩和医療科に所属。
NPO法人APSARA常務理事。2021年にめどはぶを設立、代表を務める。
近著:
最高の老後(2022)、健康の大疑問(2023)、老年医学のトビラ(2025)

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