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【医師の英語】「臨機応変」医療英語ワンフレーズ#110

  • 医療英語ワンフレーズ

現代では、外国人患者さんに接する機会のある医療従事者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな医療従事者の方のために、医療英語の単語集や会話例文集を様々なシチュエーションごとにご紹介していきます。
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「臨機応変」を英語で言うと?

《例文1》
医師A:I was wondering how much fluid we should give.
(補液をどのくらい投与すればよいか悩んでいました。)
医師B:It depends on his urine output, so let’s play it by ear.
(それは尿量によるから、臨機応変にやろう。)

《例文2》
I’m not sure what time the round starts, but let’s play things by ear.
(回診が何時に始まるかわからないけど、臨機応変にやろう。)

《例文3》
She didn’t know what to do on the first day, but she played things by ear.
(彼女は初日に何をすべきかわからなかったが、臨機応変に対応した。)

《解説》

この“play it by ear”というのは、「状況に応じてやることを決めていく」、
「臨機応変に対応する」という意味を持つイディオムです。

このイディオムは、元々は音楽の世界から来たものです。
楽器を演奏する際に、決められた音を予定どおりにきっちり演奏するには、
楽譜をしっかりと目で追いかけなければならないでしょう。

一方、“by ear”すなわち「耳で演奏する」という場合には、楽譜は見ないということになり、
耳で聞こえる音だけを頼りにフレキシブルに演奏することになりますよね。
そこから転じて、「状況に応じて臨機応変に対応する」という意味で用いられるようになりました。

医療現場でも、物事が全て予定通りに進むわけではなく、
患者さんの容態が突然変化した際など、状況に応じた臨機応変な対応が求められることは多いと思います。

そんなとき、シンプルに“Let’s play it by ear.”(臨機応変にやろうよ)と、
チームに声を掛けられれば、フレキシブルに動く心の準備ができるかもしれません。

これは、院内外で耳にすることの多い表現だと思います。

TPOに合わせてこのイディオムを使えれば、まるでネイティブのような“音色”を奏でられることでしょう。


米国内科医山田悠史先生

この記事の執筆者
山田 悠史先生
マウントサイナイ医科大学 老年医学科 アシスタントプロフェッサー
慶應義塾大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部附属病院で研修。2015年に渡米し、米国内科専門医を取得。
現在マウントサイナイ大学病院老年医学・緩和医療科に所属。
NPO法人APSARA常務理事。2021年にめどはぶを設立、代表を務める。
近著:
最高の老後(2022)、健康の大疑問(2023)、老年医学のトビラ(2025)

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