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【医師の英語】「治療に当たる」医療英語ワンフレーズ#129

  • 医療英語ワンフレーズ

現代では、外国人患者さんに接する機会のある医療従事者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな医療従事者の方のために、医療英語の単語集や会話例文集を様々なシチュエーションごとにご紹介していきます。
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「治療に当たる」を英語で言うと?

《例文1》
医師1:This acute respiratory failure is likely due to heart failure exacerbation. Should we call cardiology?
(この急性呼吸不全は心不全増悪による可能性が高いと思います。循環器内科にコンサルトすべきでしょうか?)
医師2:Cardiology has already been on board.
(循環器内科もすでに[この患者の]治療に当たっていますよ)

《例文2》
Both GI and general surgery are on board.
(消化器内科と一般外科が共に[この患者の]治療に当たっています)

《例文3》
Is palliative care team on board.
(緩和ケアチームは治療に当たって[コンサルト済み]ですか?)

《解説》
ここで出てくる on board“on board”は、もともとは「board=船などの床板」に由来しています。
乗船時や飛行機の搭乗の際に、“Welcome on board.”という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
すなわち、“on board”は「(船や飛行機などの)乗り物に乗り込む」という意味合いで、“Welcome on board.”
と言えば、「ご搭乗ありがとうございます」という意味になります。

そこから転じて、「研修医のローテーターや医学生が、病院やチームに新しく加入してきた」というようなシーンで、“Welcome on board.”(新しいチームにようこそ)という意味で使うことができるフレーズです。
この“on board”は一般的な表現ですが、今回の例のように、医療者同士でのコミュニケーションでもよく使われます。XX is on board.という言い回しで、「XX科がフォローしています」「コンサルト済みです」といった意味になるのです。

イメージとしては、「患者さんという船」に、「主治医チーム」のほかに「コンサルタントとして他科(たとえば循環器内科)」も乗船してきた、という感じです。そんなイメージを持ってCardiology is on board.と聞くと、「循環器内科も患者の診療に参加している」という意味合いがつかめるのではないでしょうか。

もちろん、もっと直接的に“We consulted cardiology.”“Cardiology is following this case.”
などと言うこともできますが、英語はイディオム(習慣的な言い回し)が好まれる言語なので、
このような表現も医療現場ではよく使われています。


米国内科医山田悠史先生

この記事の執筆者
山田 悠史先生
マウントサイナイ医科大学 老年医学科 アシスタントプロフェッサー
慶應義塾大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部附属病院で研修。2015年に渡米し、米国内科専門医を取得。
現在マウントサイナイ大学病院老年医学・緩和医療科に所属。
NPO法人APSARA常務理事。2021年にめどはぶを設立、代表を務める。
近著:
最高の老後(2022)、健康の大疑問(2023)、老年医学のトビラ(2025)

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