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【医師の英語】「悪魔の代弁者を演じる」医療英語ワンフレーズ#172

  • 医療英語ワンフレーズ

現代では、外国人患者さんに接する機会のある医療従事者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな医療従事者の方のために、医療英語の単語集や会話例文集を様々なシチュエーションごとにご紹介していきます。
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「悪魔の代弁者を演じる」を英語で言うと?

《例文1》
医師:I plan to use Drug A for his pain, and Drug B is the backup option.
(私は薬剤Aを彼の痛みに使う予定です。薬剤Bがバックアップの選択肢です)
医師:Sounds good, but let me play the devil’s advocate. What would you do if both Drug A and B do not work?
(良い考えですが、あえて反論してみます。もし薬剤AとBがどちらも効かなかった場合はどうしますか?)

《例文2》
For the sake of argument, can you tell me your plan B if your initial therapy does not work?
(議論を深めるためですが、もし最初の治療が有効でなかった場合のプランBを教えてもらえますか?)

《例文3》
I am not opposing the idea but just playing the devil’s advocate.
(私はその考えに反対ではないですが、あえて反論をしているだけです)

《解説》
日本語のことわざも同様ですが、英語の慣用句の中には、言葉どおりの意味ではなく、
逸話などに基づいて、まったく別の意図で使用されるフレーズが多くあります。

play the devil’s advocateは直訳すれば
「悪魔の代弁者を演じる」となります。
私が最初にこのフレーズを聞いた際は、単語の意味はわかっても、
意図するところはまったくわかりませんでした。

このフレーズの由来はローマ教会の“devil’s advocate”という役職に由来するとされており、
devil’s advocate”は特定の宗教の儀式において、
「負の情報だけを提供する役割」を担っていました。
ここから、議論などの場で「あえて反論する」「反対役を買って出る」といった意味で使われます。
英会話の聞き取りでは、このような慣用句が出てきた際に、真の意味を理解しておくことが重要です。

play the devil’s advocateは、
直接的な表現である“for the sake of argument”と言い換えることもできます《例文2》。
play the devil’s advocateはどちらかというとポジティブな表現であり、
「議論を深めるためにあえて反対の立場をとっているが、相手を批判する意図はない」
というメッセージを伝えることができます《例文3》。


米国内科医山田悠史先生

この記事の執筆者
高橋 卓人先生
ボストン小児病院・ダナファーバー癌研究所 造血幹細胞移植科 アシスタントプロフェッサー
山梨大学部医学部卒業
都立小児総合医療センターで小児科研修修了。日本小児科専門医を取得後、2015年に渡米。ニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカルセンターで米国小児科研修を修了後、米国小児科専門医を取得。ミネソタ大学で小児血液腫瘍科フェロー、ボストン小児病院で小児造血幹細胞移植科フェローを修了後に現職。また米国でのフェローの最中に、ミネソタ大学薬学部で臨床薬理学の博士号を取得。

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